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連載「ウクライナ市民の声 ロシアの侵攻から3年」④

 ロシアによるウクライナ侵攻から3年。トランプ米大統領の就任後、停戦に向けた動きが進む。だが、命や領土、自由を奪われている人々の思いは、どれだけ反映されるのか。戦時下に暮らす市民の声に、耳を傾けたい。

【特集】ウクライナ侵攻3年 平行世界(パラレルワールド)

ロシアによるウクライナ侵攻から3年。戦争で引き裂かれ、交わる機会を失った二つの国で、同じ問いにそれぞれの立場から答えてもらった。

オレーナ・ペイボダさん(45) 西部リビウ出身 「戦争は人生を大きく変えた」

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ウクライナ西部のリビウ駅の前に立つオレーナ・ペイボダさん(45)=2025年2月18日、喜田尚撮影

 ポーランド国境に近い西部リビウに、生まれたときから住んでいます。侵攻が始まった次の日、これから外国に避難する近所の障害者の母子を駅に連れて行きました。そのとき、ウクライナ各地からものすごい数の避難者がリビウに到着していることを知りました。混沌(こんとん)とした状態でした。

 ボランティアの経験はありませんでしたが、夫や集まった人たちと一緒に、避難してきた人びとに食事や水を提供する活動を始めました。地元の事業者が資金を出し、駅前はボランティア活動のテントで埋まりました。

 夫と私のグループは昨年まで活動を続けましたが、資金が途絶え、テントをたたみました。今は、前線の兵士に物資を届ける活動をしています。

 戦争は人生を大きく変えまし…

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